
ドミニク・クレール
1992年にパティスリーの世界に足を踏み入れました。今日まで私を導いてくれた、パトリック・シュヴァロ、ローラン・ル・ダニエル、アンドレ・コルデル、ジェラール・ミュロ、そしてピエール・エルメといった、偉大な巨匠たちのもとで研鑽を積めたことを、心から光栄に思っています。
メートル・アルティザン
「メートル・アルティザン(熟練職人)」は、卓越した専門技術を持ち、後進の育成や伝統工芸の発展に寄与した職人に対し、商工会議所から授与される最高位の称号です。
2001年に「熟練職人修士(Brevet de Maîtrise)」を取得して以来、私はローヌ県を代表する熟練職人の一人として、100年の歴史を誇る「メゾン・パロマス」の指揮を執り、その信念を守り続けています。


情熱
1992年にチョコレートの世界へ入り、1995年、M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)のパトリック・シュヴァロ氏のもとで職人として働き始めたとき、私はショコラティエという仕事に真の情熱を抱きました。この最高峰のショコラ・メゾンでの経験は、それまで神秘に包まれていたこの職業に不可欠な「妥協なきこだわり」を強く意識するきっかけとなりました。
その後、コルデル氏、ミュロ氏、エルメ氏といった名だたる巨匠たちの傍らで研鑽を重ねるごとに、この素晴らしい職業への情熱はさらに深まっていきました。彼らから学んだのは、最高級の素材選び、そして職人の基本を極めるという「卓越した製品の本質」です。今、私は自らの情熱とノウハウを、次世代の若き職人たちへと受け継いでいます。
2011年に「メゾン・パロマス」を継承した理由は多岐にわたります。伝統的で唯一無二な製品への憧れ、アトリエに残る古き良き機械への愛着、そして代々受け継がれてきた「再現不可能な技」を守りたいという願い。フルヴィエールの丘の麓、歴史豊かなベルクール広場の中心に佇む、この100年続く歴史的メゾンを絶やしてはならないという強い使命感によるものでした。
役割
2011年より、創業者ルイ・パロマスの独自のレシピと長年のノウハウを活かし、メゾン・パロマスの代表を務めています。熟練職人(メートル・ショコラティエ)として、自らの創造性と技術、そしてこの素晴らしいメゾンに息づく「おもてなしの心」を表現できることを、心から誇りに感じています。


理念
「シンプルさは究極の洗練である」
創業者パロマスの精神と同様に、私は常に「純粋さ」を追求しています。私がメゾン・パロマスを引き継いだのも、この価値観が完全に一致していたからです。私は、視覚的にも味覚的にも余計な装飾を削ぎ落としたチョコレートや菓子を愛しています。類まれな最高級の素材を、伝統の技によって昇華させ、素材が持つ本来の芳醇な香りを引き出すこと。それが私の信念です。
カカオが持つ本来の酸味と苦味を調和させ、芯が通りつつも強烈で、唯一無二の味わいを持つチョコレートを創り上げています。
貢献
2011年以来、最高級の素材を厳選し、環境に配慮した製法を取り入れることで、メゾン・パロマスの伝統的なレシピに新たな息吹を吹き込んできました。原材料の基準を引き上げ、甘さを抑えたレシピへの刷新や、パティスリーのラインナップ拡充を行い、メゾンのアイデンティティをより確固たるものにしました。
私は日々、創業者ルイ・パロマスの「厳格さと寛大さ」を併せ持つ精神、そしてメゾンが築いてきた家族のような温かな心を大切に守り続けています。


これから
私の志は、フランスのハイエンドなショコラの楽しみ方を再定義するメゾンとして、パロマスの魅力を世界に広めることです。「パレ・ド・フルヴィエール」に代表される唯一無二のレシピを大切に守りながら、職人としての誇りと家族経営の温かな精神を次世代へと繋いでまいります。
メゾン・パロマスについて
1917年の創業以来、パロマスはフランスの「高級チョコレート(オート・ショコラトリー)」の技術を継承してきました。現在はオーナーショコラティエ、ドミニク・クレールの指揮のもと、職人の手仕事を守り続けることに尽力しています。






